Sugawa Mika のブログ

日々のこと、 生きたい世の中のこと、 演劇のこと

★2017年おででこ情報★http://odedeko.com/
★芦見谷芸術の森★http://odedeko-kyoto.blogo.jp/

おででこ

いつもの事だが 時間が飛ぶ ように過ぎる
おででこ第十回公演「宵待草」小屋入りまで3日
宵待草フライヤー表面

やることはやって来たけど
でもまだやれることは有る

5人のキャストがほぼ舞台上に出ずっぱり
決して長い作品ではないのに
通した後の消耗具合・・・

でも守りに入っても詰まらない
もっと出来る 瞬間瞬間を5人で運ぶ 
開いて 信じて パワフルに 繊細に 丁寧に ケレン味たっぷりに

どうぞみて下さい
おででこの「宵待草」
岸田理生さんのセリフの魔法
美しくて 難解で 右脳が刺激される世界


第11回岸田理生アバンギャルドフェスティバル参加作品
作:岸田理生
演出・上演台本:須川弥香

あんたは待っているんです
誰だって待っているんです
何かを待っているんです
待たせちゃいないから気が楽だなんて臆病
誰も待ってないのは
あんたにそれだけの甲斐性がないからですよ

東京会場〇こまばアゴラ劇場全3回ステージ
アクセス http://www.komaba-agora.com/access
日程:7月1日(土)19時 アフタートーク有り
   7月2日(日)13時 ・ 17時
前売り:3500円 当日:3800円
チケット予約:https://ssl.form-mailer.jp/fms/99b125f7440341
電話03-6903-2748 メールodedeko2010@gmail.com

出演者◎山谷勝巳・知野三加子・山下潤・本庄由佳・すがわみか
スタッフ◎舞台監督:青木規雄 照明:森田三郎 音響:斎藤裕喜 舞台美術:おででこ 宣伝美術:宮村かおり 制作:おででこ、川井麻貴(SEABOSE)


京都会場〇【リオフェス in Kyoto】 芦見谷芸術の森野外ステージ
京都市右京区京北細野町芦見奥13-1(京都駅から車で60分)

日程:7月28日(金)プレ公演 1500円
   7月29日・30日(土)(日)1日券2500円 二日券4000円


理生作品をモチーフにした演劇・ダンス・演奏による真夏
の競演 参加団体:おででこ・URARA・世田谷表現クラブ・野村雅美・他

29日・30日のみ最寄りバス停「細野口」からの送迎有り。

チケット予約:https://ssl.form-mailer.jp/fms/99b125f7440341
電話03-6903-2748 メールodedeko2010@gmail.com


昨日、国会で共謀罪が強行採決された。
彼らが共謀罪を欲しがってるのは何故か?この法律が成立した日本は今よりも素敵なのか?
そのことを自分の頭で考えている人はこの国に何パーセントいるのだろう?表現者と名乗る人たちの何パーセント?演劇人と名乗る人たちの何パーセントいるのだろう?


GW芦見谷の企画について。
今回は5/3-5/7の期間中に滞在者用の小屋作りと、夜は芝居の稽古もしつつ、5/6(土)にその稽古の成果発表であるリーディング公演を行うという、猛烈合宿型のプロジェクトでした。
リーディングは、「非戦を選ぶ演劇人の会」が毎年呼びかけている企画に、「おででこ」として初ジョイン。
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「9条を好きと言えなくなって」(20分・2014年初演 作:篠原久美子 + 非戦を選ぶ演劇人の会
『茶色の朝』 フランク・パブロフ作、藤本一勇訳、大月書店刊  
の二作品。

出演希望者には、上演作品は前もってオープンにしている。三日間の夜しか稽古が取れないので、作品をとにかくよく読んできてほしいとメールを入れた。三日間全て稽古に参加することを条件としていたが、遅れて参加する方も居た。拠点が東京の「おででこ」繋がりの参加者は、今回は全て東京から。GW中、東京だけでなく全国各地でキラキライベントが沢山あるのに、結構な交通費を使い京都まで。それも京都の秘境京北の、携帯圏外ワイルドな森の芦見谷まで、D.I.Yで肉体労働しつつリーディングもすると言う企画に来てくれる・・・・改めて書くと凄いね参加したみんな!自分の直観に従って行動に移せる人たち。その心意気とアクションが嬉しくて、遅れて参加の方もみんな出演してもらうことにした。


「9条・・・」は非戦を選ぶ演劇人の会がHP上で発表している台本。「茶色の朝」は私が選んだ。私自身がいつか朗読したいと思っていた作品だ。
夕方作業を終え、みんなでご飯を食べて、五右衛門風呂に入り、宿泊所としてお借りしているログハウスで(今クラウドファンディングで獲得を目指しているログハウスです)初日の稽古開始。初日から参加しているのは、おででこ常連、芦見谷リピーター組、知野三加子(劇団SWAT!)本庄由佳、宮村(セツコの豪遊)、そして佐野明日奈ちゃんは、3月のおででこ発表会を見に来て触発されての初参加。まず問題になったのは「9条・・・」について。ある出演者から、余りにも直接的な言葉で書かれている台詞をどう発話すればいいのか分からないと意見が出る。

「葛藤が無いですよ」
「みんな同じ賛成意見で最初から結論ありき」
「正直やりたくないです」

庇う訳では無いが、彼女のこの強気な発言は、作品を真剣に読み込み考えて来たからこそ出る。稽古が始まって直ぐに、思いのたけをぶつけるのは、若いな~とも思うが、彼女なりに悩んだ証拠。書かれている細かい法律用語についても一々調べて来ているという誠実さに本気さを見る。

そう思う半面、「アタリマエだよ須川君」と師匠の声が脳内で響くのも確か。
次元の低い話で、そういう出演者がいるのは主催として情けないが、読めない漢字にルビを振る事さえせずに、詰まっても人に教えられる事を恥じとも思わないで稽古場に来る人が多くなった昨今・・・「許しちゃ駄目だよ須川君」脳内で師匠の声が響くが、あまりにその手の人たちが増えてくると一々注意する気も・・・

話が逸れた。

他の参加者からも意見を出してもらい、書かれている内容を租借し、共通認識をとる作業で初日の稽古は終わる。こういう対話が大事だ。作品について自分の好き嫌いも含めて話す。自分が読んだ所感や意見や好き嫌いを共演者に伝える。共演者が思う意見や所感を訊く。この意見を言い合うことが大事だと思う。自分の与えられたパートだけを熟せば良いんじゃない。他の共演者が何を思うのか?今回の稽古がどこを目指しているのか?木を見て森を見ずでは、全体の中の唯一無二の駒として自分を生かせない。逆説的だが真実なのは、自分の事ばかり考えていては自分を生かせない。自分を捨てて自分が生き始める。俳優、役者とはそういう作業をする者の事だ。
稽古とは、「古きをたずねて新しきを知る」行為。粘り強く胆力をもってその行為を楽しむこと。
もうすでに知っている事柄も、稽古するたびに新たな発見をする心の若さと謙虚さを持つ者が俳優。
「もうやりたくない」と稽古初日に言った彼女には、「稽古を重ねてもやっぱり嫌ならこっちの作品は参加しなくても良い」と伝える。「稽古を重ねても」そう思うなら強制はできない。でも、好きじゃないから遣りたくないでは俳優は無理だ。好きじゃなくて遣りたくない役を自分の血肉にして、どう自分ごとにして発話するか?この作業が稽古すること。作品を自分に引き寄せるのではなくて、自分が作品に近づく行為。自分から近づく。自分を変える、自分のレンジを変える。この特殊な作業が、俳優が稽古するということ。自分との格闘に近いこともままあるのが稽古。
今回は特に参加資格を設けていない。初めて演劇しますという人から、演劇経験豊富なベテランまで、参加したい人は皆どうぞ!だけどその中で、創作のゴールを一応どこかに設定しなければならない難しさがある。みんなの意見を受けて、初日稽古解散後は一人台本アレンジに取り掛かる。


2日目も朝からD.I.Y。天気がいい。みんな6時前には自然と起き出して、竈に火を起こしてご飯作り。食卓の準備。ドイツ人宮大工Peter Parsh さんが9時に到着。9時半から2日目の作業開始。昨日もたついていた作業も1日やるとみんな手慣れたもので、作業のスピードもアップ。進捗が目に見えるのはやる気が出る。ご飯作り担当も全員で回す。2日目になるとある生活リズムが生まれて来て、言われてやるのではなく、それぞれが気がついた事や出来る事をやるという、静かで親密な心地よい空気がグループに生れている。この日は夕方には燐光群の桐畑理佳さんが到着予定。本当は初日からの参加を表明してくれていたが、直前にアクシデントが発生し一時は参加断念。でも何とかやりくり付けて2日目の夕方に到着してくれました。バス停に迎えに行く。続いて自分の車で現れたAsh(カワサキアリス代表)2015年以来2度目の芦見谷登場。昨年のGW燐光群企画の「楽屋フェス」では女優B役で、おででこの楽屋に参加。この芦見谷で「楽屋フェス」繋がり3人が同時に再会。

今回の動画はこちら

2日目夜の稽古は新たに二人が加わり「茶色の朝」に取り掛かる。
ここでも本をどう読むか?その作品の肝をどうとらえるかの差が現れる。この作品ならやりたいと言う者。これは難しいと言う者。様々な出自を持つ女優たち。作品をどうとらえるかが個性で、自身の思想と履歴がその個性を形作る。
「茶色の朝」フランク・パブロフ作、藤本一勇訳、大月書店刊。は、一種寓話のような、詩のような、恐い内容ながら文体が美しい。フランス語はまるで駄目な私には原文は読めないが、フランス語から日本語への訳者の言葉選びや文章のリズムも素晴らしいのだろうと思う。パブロフがこの物語を書いたのは、極右政党のマリー・ルペンが初めてフランス大統領選で決選投票に残り、シラク大統領と一騎打ちを演じた2002年のころ。極右の台頭を許す社会への警告として、パブロフはこの作品の印税を放棄し、たった1ユーロの定価で出版した。2002年から15年がたった今年、マリー・ルペンの娘マリアーヌ・ルペンが、フランス大統領選挙で再び決選投票に残ったが敗退した。しかし世界はパブロフの警告通りに進んでいるようだ。アメリカではトランプが大統領になり、日本では安部が首相の座に座り続け、2020年に憲法改正と言い出し、今国会で共謀罪を成立させようとしている。パブロフが世界に発した警告音はますます大きく響いているが、みんなが無関心でいる間に、世界は、彼が描いて見せた「茶色の世界」に向かってすさまじい勢いで塗りかえられているようで、悪寒と吐き気を覚える。

なぜこの作品を選んだのか? 
それはつまり今の日本が、今の世界がこうだから。なぜ9条なんて政治的なお題を?その事も説明しなくちゃいけないの?と思うと正直しんどいが、それはつまり、今あなたが手にしている宝物を、良く知りもしないで手放してしまう前に、出演者も観客も先ずは知る事が大事じゃない?知って自分の脳で思考してこれからあなたが生きたい世の中を決めても良いんじゃない?と、心底思っているからですよ。
しかし分かってはいたものの、この重要な要素を沢山持つ作品二本。出自の違う出演者が、感性も思想も社会への関心の持ち方も違う出演者が集まり、たった三日でリーディングとは言え命を宿すことは困難の極み。

二日目の稽古が終わり、母屋に戻り飲み直す。母は既に床に入っている。今年77歳になる父の眞一は癌の治療ですっかり体力が衰えているが、みんながこうして芦見に集まってくれたことが嬉しくて仕方がない。嬉々としてお喋りに付き合っている。父眞一は、劇団ふるさときゃらばんの制作をしていた時期が有った。私が十代の頃で、ある意味で人生の危機だった頃だけど、北海道ツアーと九州ツアーに同行した。それが無ければ私は演劇はやっていないのかな?なんとAshと桐畑さんもそれぞれきゃらばんと縁があるとの話で盛り上がる。そのきゃらばんは一昨年、演出の石塚さんが急逝して解散した。解散の時に譲ってもらった照明器具の幾つかは芦見谷で引き継いでいる。
お借りしているログハウスの電気は発電機を回している。疲れているだろうに父が起きているのは、みんなが床に入った後、発電機を切らなくちゃいけないからでもある。


三日目の朝も良い天気。このまま明日のリーディング公演を迎えて貰いたいと思う。3日目の午前中に本庄由佳の演劇つながりではない友人?同僚?の安藤さんが関東から到着。今回唯一の男子参加。おまけに都会的なイケメンさんだ。彼はD.I.Yの心得が有ると見えて到着してすぐに丸鋸でバシバシ材木を切断してくれる。女だらけのD.I.Y現場にイケメンが一人加わり何だかみんな賑々しい。午後には鈴木陽代さん到着。こけら落とし以来二度目の芦見谷。これで出演者が全員揃う。作業が出来るのはこの日で終わりなので、可能な限り、出来るところまで進める。

三日目の作業動画

そして夜、出演者全員集合で稽古開始。「9条・・・」の台本のアレンジをみんなに伝える。元々2014年に書かれたが、たった3年前なのにもう同時代性を感じられない部分をカットする。しかしその事からも、慎重であるべきはずのことが凄まじい勢いで進行している事を感じる。こんなに急激に変化することが良いはずない。何の拘束力もない「閣議決定」乱発して、既成事実化する安部政権の「そういう手」に乗せられて良いはずない。「9条・・・」は文学的な台本ではないかもしれないけど、そのことをきちんと言葉で伝えてくれている本だ。表現者である私たちにとって大事な部分、例えば報道の自由度ランキングが今日本は何位なのか知っているだろうか?私も正確には知らなかった。2010年11位だったのに、2013年12月特定秘密保護法が公布され、2013年一気に53位に転落。2015年61位、2016年72位・・・2017年は更に転落するだろう。このブログで2013年と2014年の12月に、特定秘密保護法の事を書いている。一名も無い演劇人として、普通の日本人として危機感を持っているから書いている。そして2017年共謀罪成立?・・・あなたは密告奨励社会に住みたい?ブレヒトの「第三帝国の恐怖と貧困」ナチスの時代に奨励されたのは密告。実の親でも売り飛ばす。そういう法律がこの共謀罪。

わたしがこの作品を選んだのは、「もし本当に共謀罪が成立したら、来年は芦見谷で【9条】を題材にしたリーディングはいよいよ出来なくなってしまうかも知れないから」


台本アレンジは成功したようだ。盛りだくさんの内容がすっきりした。短い稽古でたどり着くべき範囲がくっきりした。初日稽古でやりたくないと言っていた彼女も満足気。明日は朝八時から野外ステージでリハ。そして開演の準備。

翌朝はどんより曇っている。降水確率は50%。朝ご飯を食べて、早々にリハ。昨日飲みながらの提案で、Ashの琵琶の演奏を入れることになった。ほとんどぶっつけ本番だ。去年の杮落しでは観客が30人来てくれているが、今回は送迎の車を出さないので自力で来れる方に限られる。

リハ後私はPCに向かい当日パンフを用意する。私も出演者の一人なんだから化粧もしなくちゃ着替えもしなくちゃだ。駐車場の準備や会場の準備をみんなでしてくれている。出演者じゃない安藤さんが、眞ちゃんと色々準備してくれて大助かり。開場11:30、PC作業を一区切りして外に出たら、雨が降っている。12時、降りがますます激しく本気度を増していく。おやおや・・・
「どうしますか須川さん?」みんな私の顔を見詰める。どうするか?決めないとね。決断するのは私だ。最悪止まない時はログハウスの一階を会場にすることにして準備続行。

しかし・・・こんなに本気で降ったら客足に響くよ~

キャンプサイト整備の工事で相談に乗ってくれていた三好さんが、お子さん二人を連れて到着。
こけら落としでも協力してくれた従兄、清水焼ろくろ師の良太さん「これは止むで~」と言いつつ到着。さるうやオーナーの千葉君到着。宮大工則藤さんと、Peterさんも到着。おででこ京都事務所の大家の山田さん到着。そして嬉しいことに金沢から岡井さん到着。去年東京で参加したヤルマーのフォーラムシアターワークショップ。金沢での実施会場を提供していたのが岡井さんの劇団。金沢の後ヤルマーは芦見にやって来て、スペシャルワークを開いてくれた。
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2016年夏ヤルマーさん in 芦見谷

今回のお客様はここ止まり・・・
寂しい状況なのは雨が原因か?
それとも9条か?
天気はと言うと、これがまたこけら落としのミラクルアゲイン!
13時の開演丁度にピタッと上がって日が差して来た!
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出演者一同雑巾を持って野外ステージに向かい水溜りを拭いて、
15分遅れで開演!

くそ~!芦見谷の神様に試されてるな~「それでもやるのあんたたち?」

二本のリーディングはあっという間に終了。
母屋のデッキの下でそのままアフタートークに入る。
昌子さんが売り物として沢山用意した、おにぎりやカレーを振る舞う。もうフリーでどうぞ~
ビールで乾杯。車で来ている人にはフリービール。


アフタートークの様子を、私の曖昧な記憶だが自分のために書き残します。細かい所は違っていると思う。異論が有る方は訂正をお願いしたい。
最初は型通りのサンクススピーチの応酬で普通な感じでスタート。
Mさんが、テレビを見ながら、小学6年生の息子さんと、北朝鮮やっつけちゃえ!と、「9条・・・」の台本の中に出てくるような会話をするのだと話してくれる。だから二本のリーディングを聞きながら色んな事を考えたと。
C君からは、「何でみんなこれをやろうとしたんですか?」と質問。彼とは東京で「ブレヒト作品」で共演したことが有り、今回出演しないかと誘っているが、やはり9条に思案して、まるで選挙応援のポスターを入口にかけてるレストランみたいで嫌だと断られた。
彼の質問には、自身も演出で団体主宰者のAshが、「女性演出同士の私に興味が有るし、芦見谷がどうなっていくかに興味が有るから参加した。この政治的作品をどう演出するのか興味が有った。憲法を若い頃に研究していたから久しぶりにその若い頃に感じたことを台詞言いながら思い出した」と答える。
Aさんからも、「みなさん何故これをやってるんですか?やっている人は何を思っているのか?私は戦争が良いか悪いかは判断がつかない。武器を持たされて敵を目の前にして、まさに撃たなければいけない瞬間にならないと判断できない気がする・・・戦争に対する実感が無い・・・」
この質問には私が作品を選んだ者として答えた。「この作品をやることで、観客も出演者も考え始める切っ掛けにして欲しいと思っている。正直言って短い稽古の為に、本当ならば出演者同士が了解しているはずのコンセンサスが取り切れていないので、演者それぞれに委ねている」という言い方をした。
このAさんの意見を受けて、押し黙っていた観客の皆さんが話し始めた。
Yさんが、「戦争は絶対駄目だ。戦争を起こしては駄目だ」と明快に言い切った。
Oさんは、「私たちは国同士ではなく人同士であるべきだ。以前イスラエル人と共同創作をしたときに、友人から絶交だと言われたが、なぜそういう反応になるのか?そうやって国対国で一括りにせずに、個人である人と人が繋がる事が大事だろう」という主旨の発言が有った。
Rさんは「息子が丁度就職活動をしている22歳だが、戦争になったら行くのは俺らやんな~やっぱり嫌やな~と話すことがあるね」との発言。
それを受けて明日奈ちゃんが、「私同じ22歳だけどそんな風に考えたことなかった・・・」

Aさんは会社員だ。私より少し若い世代。野球をやっている男の子のお子さんが居ると聞いた。もしこの先近い将来日本が大手を振って戦争出来る国になり、もし徴兵制が敷かれたら、男の子は強制的に鉄砲を持たされる。70年前の戦争の時のように、普通の大学生が学校を強制的に辞めさせられて、南方や中国に送り込まれて殺し合いをさせられるような時代が再びやって来たら、敵を目の前にして撃たなければいけない瞬間に直面するのは、Aさんではなく息子さん世代だろう。Aさんも私たちも残念ながらラッキーなことに年齢的にはセーフ。セーフティゾーンの中。
ちなみに今国会で、日本を戦争出来る国に作り変えたいと法整備を急いでいる安部首相も自民党の閣僚も公明維新の議員もみ~んなセーフティゾーンの中。自分ではない誰かが鉄砲の前に立ち、殺し合いをしてくれることで、「経済を回せるようにしよう」というのが今の日本政府が目指すところ。戦争経済の為の法整備。その事がくっきり想像できたなら、そのことまで明確に連想できたなら、そのことについて考え始める切っ掛けになったなら、芦見谷まで来てくれた意味が有るように思うんです。

一番年長のNさんが、「戦争が終わった時は8歳で、広島の近くの福山に居たけど、グラマンに機銃掃射で撃たれたの覚えてるわ~。今はそんなことしたら問題やろうけど、戦争中は先生にぶっ叩かれて、今でも左の耳がよう聞こえへんねん。そやからな、戦争が終わった時嬉しかったな~民主主義ってええもんやな~と思ったな~」

普通の人が語る実感。こう言う体験を生で聞けたなら、ピースリーディング企画をする必要は無い。
だんだんと、体験した世代が亡くなって行くから、あえてこう言うことを考える場を作らないと、集団としての記憶を継承していけなくなる。演劇は、集団としての記憶を語り継ぐ装置として発達した部分を持つ。娯楽としてだけではなく。


今回はとても消耗した。父も母も疲れたと思う。癌の科学治療で体力を奪われている父はこのところ弱気な発言をするようになった。アフタートークで、何故そう言いう流れになったのか?「この場所を引き継がないかと親戚や身内の若い子に話してきたが、なかなか本気に成る人が居なかった。でも突然この人が(私を指し)芸術の森を創ろうと言い始めて、ここが未来に引き継がれる希望が出て来ました。僕たちはもうすぐいなくなる。ここは皆さんの場所です!」と泣いた。
最終日の朝、疲れ果てて7時前まで起き来ない両親。みんなお腹を空かせているので、今日の朝ごはんの材料を聞きに両親の寝床に向かうと、目を閉じたまま上向きで、布団から出した手を握り合っていた二人。
この芸術の森創りを前に進めて行きたいと思っています。
クラウドファンディングへの挑戦もどうぞ応援してください。1000円から応援してもらえます。訪れた人みんながアーティスト、作り手になれる森創り。どうぞ芦見谷のこれからの未来を一緒に作る仲間になって下さい。



他の演出さんの稽古場はよく知らない。私が役者として他団体に出る時は、とにかく難しいことを楽しみたいと思っている。役者のM性を発揮出来るから嬉々としてるだろうと思う。

私が演出の稽古場は、過去に強烈なプレゼントをくれた演出さんたちの真似をしています。節操なくても良いものは真似ます。これまで「師匠」と言える演出に4人出会っている。多い?少ない?誰かと比較は出来ないけど、その4人に出会った私はラッキーだ。私の稽古場ではそこここに、場面場面で、濃度を変えて、常にその4人の要素がミックスで立ち込めていると思う。

演出のYESマンばかりの稽古場は一見うまく行ってるように見えて、本当に面白い物は創造されない。
かと言って、物事を勝ち負けで判断する人たちは疲れる。意見を言うことと同じくらい、人の意見を聞いて、自分がミックスしていくことが大事。演出に勝ちたい思いが強て反発だけしてても不毛だ。
「仲良しでこの座組最高!みんな有難う~!」とFBやブログに書かないとマナー違反とか思ってるのはもう・・・私とは関わり合い無い。それって表現者ではなくてなんか別物でしょ?基本的にみんな人の目を気にし過ぎで、自分の本当の感情にアクセスできてないから型通りの当たり障りのないキラキラワード。一種の現代人病だと思う。

じゃあ、私はどういう稽古場を求めているか?
私自身の今のテーマは「本音で対話」しあう表現者たちです。
日本人は議論が下手です。フラットな立ち位置で人間関係を捉えられないから、相手にシンプルに自分の意見を言うことも、相手の話を聞くことも下手。これは国民的弱点。国家的な課題だと思う。
意見を言ったり、人の意見を聞いて自分の意見が変わる事を楽しむ知的な楽しみ。変化する自分を恐れずに楽しむ。知的好奇心とブレインストーミングをお互いに味わい楽しめるメンバーが、頭でっかちにならずに体で変化を感じ取って、前に進んでいくパフォーマー達との稽古。

さて、7月リオフェスに向けて稽古が進行しています。今回は長い稽古期間を取って、全員参加できる体制で少しずつ進めています。これも昨年の反省から。失敗はそのまま放置すると失敗だけど、そこから学べば良い。


芦見谷芸術の森クラウドファンディング、本日から開始しました。ページを見て下さい。↑

素敵なページに成っています。協力してくれたみんなのお陰です。私一人ではページを仕上げることは出来なかった。やっと今日始まったばかりだけど(笑)感動してます少しね、これからだけどね。

いやいやしかしこの1週間以上に渡ったページブラッシュアップは・・・
今回モーションギャラ―さんを使っていますが、何度も何度もサジェスチョン、ブラッシュアップ、また差し戻しと、脳がちょと沸騰するようなやり取りでした。
「まあいいや、大した出来じゃないけど変更できないなら勝手にすれば!」
と、投げることも出来るけどギリギリまで変更させる。わたしはそれを誠実さだと思います。こちらも胆力を持って行けるところまで行く。私だって生身のにんげんですから、追い込まれればうっすら涙くらい出ますよ。でも自分を可哀想とは思わないな。しんどくとも何ごとも一段落つく時期が来る。
やっぱりこうして一段落つくと、しんどい事を自分に嫁して、それにトライして、やっぱり得してるのは自分だと思える。


私自身がこういうスタンスだから、演出の時も凄く追及して簡単にOKしないし、しつこいのが耐えられなくて「切れて」怒っちゃう人が居るけど。切れる人は勿体ない。成長する機会を自分で潰してるから。「見てると可哀想~」とか言う人が居るけど、そういう人は自分を追い込んで絞り出して、自分の限界を越えてキャパを広げたことが無いのかな。体力の有る20代30代は、泣くほど追い込まれても回復が早いから挑戦するならし時だ。しんどくても乗り越えた後の成功体験は強い。そうでないと粘れない中年老年になっちゃうよね。それは年を取る価値が半減しない?頼りにされないよね。


成功するまで辞めずに続けるから成功するって言葉を何度も思い出し続ける。
クリエイティブであるなら、分野は違っても粘り腰で無ければ駄目だと。
集中していると風呂に入る時間も勿体なくて。自分が香ばしくなってきても、誰にも会わないならいいやと、迷惑掛けませんから(笑)
昨日やっと審査が通過し本日から開始!ここから3か月の挑戦です。これ、何気なく書いてますが、実はとても高いハードルです。覚悟してます。そして、目標に届かなくても実行すると確約してます。つまり自己資金を持ち出してもやると。

缶詰状態解放されて、昨日の夜は芦見の来年の3月に向けてのミーティングに外出。
もちろんシャワー浴びて(笑)
池袋のアイリッシュパブでギネスBeerを3パイント。
まあ・・・良いスタートかな?色んな企画が同時進行で〆切の度に苦しいけれど、
20日からは二年目のリオフェスの稽古も開始!そっち演出も思考しなくちゃだし、制作の連絡もしなくちゃだし、事務も遅れてるし~~GW芦見谷企画もあるし~~でも、
うん、今日の脳はクリアーです。ノイズが取れた感じ。進む道はクリアに見えてる。

別れが有れば出会いが有る。春はリスタートのシーズン。
脳がクリアーに成ってるってことは、私は状態が良いんだと思う。

あなたの旅立ちにもGood Luck! 
ピースリーディングチラシ画像表無題ピースリーディングチラシ画像裏無題


 

お久しぶりです~諦めてません個人ブログ。辞めません。
一寸ずつ情報再発信ですが、先ずは明日のご案内です。

★3月12日(日)おででこのワークショップ発表会★
詳細は、➡おででこワークショップ情報 を参照ください。

前日なのに今さらですが、今回のワークは少人数でした。少人数寂しいですが良いですね。丁寧に個々に向き合える。大人数だと時間切れなことも、個々のレベルに合わせて伝える事が出来る濃厚な向き合い。本公演稽古では演出しつつ出演する私ですが、ワークショップでは”見る事”に、演出することだけに徹底する。正しく導けば成長してくれます。全ての人は道の半ばですが、ここまでの成長を喜びましょう!

今後はワークと発表会はセットで続ける意義を感じています。
本公演の稽古に入る前にワークを体験して欲しいのは、つまりこういう事なんだ~という成果が、三人三様で見えて来ています。

これフリーカンパ制です。明日お時間有れば、突然のご来場でも歓迎ですよ。
 ちなみに次回のワークは、京都芦見谷で夏の企画の中でやる予定です。
近日詳細発表します! 
本当にやるやる詐欺でなく、近日またブログ書きます。


そして今日は3月11日です。
この日を境に私の価値観は大きく変わった。でなければ芦見谷での企画をやってないと思う。

あれから6年、まだ6年、もう6年、たった6年・・・
6年経って区切りがついた?そう思う?何に?
本日会見はしないと言うあの人は、一体何処の国の総理大臣だろう?もう終わった事だと思わせたい目的があるんだろうが、小さな不誠実を繰り返して、違和感を感じる事に馴れさせて、隠された悪に怒る正義感を馬鹿にする作戦かな?敏感な思う心をくじく作戦。6年間こんなことの繰り返しだ。

ナチスドイツの手法に学べと言った財務大臣。あの当時のドイツ国民が、ナチスのユダヤ人大量虐殺を受け入れたのは、理不尽な精神的抑圧と、実質的な暴力による教えを愛情と言い換える、欺瞞的な教育方法が当時流行っていたからだという。人間は自由へ逃避行するのではなく、自由から逃避行する。自身で思考する道よりも、指示してくれる、慣れ親しんだDV男の元に戻って行くある種の女性たちと同じ。

いざという時には天皇の為に喜んで死ぬことを叩きこんだ「教育勅語」を称える防衛大臣。
恐怖で従わせる愛国幼稚園の教育を”素晴らしい!”という総理夫妻。
そんな政権を支持する巷の人々。
み~んなDVを愛情だと思わせられた人かもしれないよ。
自分自身の「精神的DV被害」を疑ってみても良いかもしれないね。


あの日突然終わりを迎えた沢山の命、家族を奪われた人々。原発事故で追われた生活。
息き苦しさの一番の原因は、6年経った今も事故が現在進行形だと言うこと。その場にいれば即死する放射能が出続けてるということ。汚染で人間が棲めない土地を作ってしまった罪悪感。便利さ程度の陳腐な物と引き換えにして、その後始末を子孫に押し付ける現代日本人の一人であることが痛くて苦しい。

便利と 生命と 大切なのはどっちですか?

なのに、なんだろ?
事故前からの基準を引き上げてまで帰還しろって。
そこに子供たちを住まわせるって。なんだそれ?


空疎で不誠実な言葉言葉言葉が溢れて気力が萎える。
仰々しいだけで紋切り型の悼むポーズな言葉。
お為ごかしなメールレターはコマーシャルレター。
知的で理論的に見える言葉も、その立ち位置が不明ならば、実際害にしかならない。

日本語ってこんなに力がない言葉だったっけ?日本語を話す日本人が衰退したのか?そうなら日本は滅びゆくいかないのか?

言葉を使う演劇を続けて来て、言葉に命を込めることを研究し続けて来て、言葉に頼る演劇にも失望してる自分が居る。…っと、悲観的になり過ぎてしまうなと思い直す。


今日くらい多弁を封印して黙って思考してみよう。
ブログのタイトルに、「生きたい未来・・・」とつけてる。
ブラックジョーク?と思いつつも、
個人が内心で自由に思うことはまだ侵食されてない。




須川個人のブログ、放置プレーも甚だしいや。
前回のブログが夏の芦見谷こけら落とし前に書いたものだ。

だけど言い訳ですが、やることが次々有るし、おででこのサイト更新するだけでも結構忙しい。

もう個人ブログ辞めちゃおうかしら?
途中まで書いて下書きに入れたままのも有るし、形に成らなかったブログは、その時に本気でそう思っていた言葉だけど、一か月も経つとどうでもよくなってしまうんだな。日の目を見ないままで良いものもあるけど、復活したいものは、まあ別の形で使うのかも。

さて、秋深まる今日この頃ですが、私はこの秋冬はmake moneyの時と腹を括り、そして学びの時と位置付け、気に成るものは観に行って、様々のワークも受けに行く日々。
昨日今日は良いエネルギーに満たされました。つい先日の「演出家のためのブレインストーミングワーク」でお会いしたエリさんの情報を見て、これは絶対に良いだろうと思い急遽参加した「ジャンさんの気の道ワーク」
勘は大当たり!やらねばならない事が沢山あるんだけど、後回しにしても行って良かった。本当は一日だけにしようかと思っていたんだけど、今日も行ってからだが芯から喜んでるのが分かる。大正解。

ジャンさんは、あのピナバウシュの元で、ソロダンサーだった方。アレキサンダーテクニークや、合気道や、その他様々な体の使い方を学んで自分なりの方法論を確立して、全世界で教えている。綺麗な澄んだな気が全身から溢れてて、美しい方だった。

そして、再確認。やっぱり本物の言う事は同じ。洋の東西、ジャンルの違いを飛び越えて、本当に力を発揮するための体の使い方の根本は同じだ。同じホモサピエンスですからね。同じこの重力がある地球上に暮らしてるんですからね。同じですよ根本は。

さて、今週土曜日からおででこワーク始まります。とりあえず少人数でのスタートみたいですね。
前日でも申し込み受け付けますよ。毎週土曜日の13:30-17時。月四回です。
詳細はおででこ公式サイト odedeko.com

この自分のワークの前に、私自身が心の底から満足するワークを受けて、エネルギーチャージをするのは必要です。だってワークをリードするのって本当~に体力気力全て使うんだ。

今回は、2月の末まで一応やりますが、目標が有ります。各々4か月間で一本一人芝居を完成してもらいます。

これは、今年の4本やったおででこ公演を通して、つくづく俳優に必要な要素だと思ったことからのお題です。はっきり言って、多くの俳優が話す台詞が空虚なのです。現代人である我々は、日常であまりにも簡単な、短い言葉だけで話し過ぎている。言葉の使い方が幼稚で、つまり思考が幼稚で、詩的なものとか、比喩的な物とか、実際に脳を動かしながら話さなければ太刀打ちできないような理論的な長台詞とかを料理しきれないのだ。
もしくは多弁で饒舌だけど、自身の奥底と繋がっていない言葉を散らかすのもやはり空虚だ。

これは不味いよ~!俳優でしょ?他人様が書いた言葉に、己の命宿せてなんぼでしょ?
なので須川の危機感から、今回は特に言葉に命を宿す部分を強化するワークです。
嬉しいことに初参加の方もいる様ですよ。どうしようかなと迷っている方、おためしでも結構ですよ。是非チャレンジしてください。

あ、あと来年の芦見の企画をず~と考え続けてます。本当に寝ながらも考えてますね。来年のというよりは、今後の芦見をどうするのか?本当にず~~と考えてます。先週は、今年芦見で尽力してくれた皆さんとも改めての慰労会をして、いよいよ来年に向けて構想を具体化中です。

そんな日々には、良いニュースと悪いニュースがせめぎ合ってて、今のところ私自身の生命力と、危険回避の勘がそんなに鈍って居ないらしく、細かく障害物には出会いますが大怪我には至っていません。

先日、初の公開プレゼン成るものをやって来ました。もちろん芦見の企画に関してで、5分のプレゼンで、質疑応答が4分。そのために東京から京都に行きましたからねわたしゃ!そしてスライド13枚作ったよ~五分では説明しきれなかったけど頑張ったよ!

緊張した~~

プレゼンの結果はどうやら吉と出たようです。もう~新幹線代が無駄に成らなくて良かった~(泣)

しかし 本当に いつまでも崖っぷちな人生だ・・・

 
 

わたし生まれ育ったのが京都です。
18歳までは居ました。
父の会社が倒産したり、夜逃げや転校や両親の離婚や、きゃらばんの地方公演に付いて行ったりと、色々と濃い~10代でした。

演劇を本格的に始めたのはその後東京に来てから。
だから京都では演劇してません。実人生がかなり演劇的でしたが・・・

9年前、「母アンナ・フィアリングとその子供たち」(ブレヒトの肝っ玉おっ母)のイベット・ポッティエ役で、建てかえる前の京都会館(現ロームシアター)の舞台に立ちました。演出はルティ・カネル(イスラエルの女性演出家)でした。

公演は二日間で二回。一回目の公演が終わり、その夜は久しぶりに会う従兄と伯父に連れられて先斗町で飲んで、そしたら父の事で喧嘩になりました。

我が父は傍から見ればガッツがあって面白い男です。基本サービス精神の旺盛な善人ですし、波乱万丈な人生は物語としては興味深いでしょうが、だからこそ自分自身を過信する人で暴れん坊で、それに付き合う身内は大~変な目に遭って来てます。

同じ出来事も、個々の立ち位置と、どの角度から見ていたかという事で、その出来事への評価は変わるのです。演劇をやっているんだから承知の事で、劇中の人物の分析と同じことで、喧嘩することも無かったのですが私も若かったのです。伯父は怒って帰り、従兄と二人で鴨川の川べりで長いこと話しました。泣いて蚊に刺されまくって、明け方近くにホテルに帰って、酷い傷心と二日酔いの状態でそのまま舞台に立ちました。

私が担っていた従軍娼婦のイベット・ポッティエは、登場から酒を煽ってます。
そしてめちゃくちゃにぐるぐる回りながら踊ります。
自分の身の上を嘆いてるけどしたたかに生きてます。
母、アンナから息子の命を助けて欲しいと乞われて、イベットは軍曹との間に入ってお金の交渉をするが・・・
悲しい結末を母アンナに告げるというシーンが有ります。

あの日は酒が残っていたんでしょう。回ってるうちに又酒が回ったんでしょうか。
もう頑張れなかったのは確かですね。キチンとした演技なんか出来なかったんでしょう。

まったく可笑しなことですが、

終演後、演出のルティから大絶賛されました。
ルティの娘さん(イスラエルから来てたんですね)も凄く胸を打たれたそうです。
共演していた長畑氏の娘さんも見に来ていてやっぱり大絶賛だったそうです。
なんかその日のわたしのイベットは違ったらしいです。


怪我の巧妙ならぬ、喧嘩の巧妙か・・・
京都会館での強烈な初出演の思い出です。


演技は頭で考えて、予測の範囲で収まってる内はまあそこそこ。
やっぱり身体ごと。そして身体と心を一致させたとき、何か奇跡が起こる。
毎回そこに心身ともに入るしかない。観客の胸を打ちたいなら。

と言っても、毎回二日酔いで蚊に刺されるわけにはいかないから、
俳優はその状態に自分自身の想像力を総動員して入る。
その想像力こそが俳優の特殊能力。


2016/8/28(日)京都京北芦見谷野外シアターで杮落し。
大変面白い才能が集まってくれました。国内外で活躍するアーティストたち。
杮落しに相応しいラインナップです。是非、芦見谷を体験しに来てください。

詳細は→京都芦見谷のブログ

山奥で特殊な環境です。
みんなこの現場に来ると、想像していた以上のワイルドネイチャーぶりに目がキラキラします。
私はそんな様子を見るのが大好き。

今後毎年夏はこの場所で演劇です。
いや、演劇をツールに色んな事を仕掛けて行きたいと思っています。
さまざまな芸術団体にも滞在創作の場として使って欲しい。


「何で、こんなことを始めたの?」
「お父さんと娘が一緒になって?」

って質問されて、沢山理由が有り過ぎて、なかなか説明が難しいんだけど、


人は人生の中で出会った色んな出来事の合成でその人に成って行く。
私も人生の中で出会った色んな出来事からそうせざるを得ない事をしてる。
ほとんどの人は、自分のしたいことが分からなかったり、するチャンスがなかったりするけど、
今の私はそれをしたいと思っていて、たまたまそれをするチャンスを手にしている。
だったら、今はそれをしようと思う。
それが何になるかとか、
成功するか失敗するかとか、
そんなもん誰にも分からないから、
やってみて上手く行かないならまた工夫するさ。

それに、暴れん坊だった父も年を取って、癌とも長い付き合いになって、
一緒に何かやるなら今だと思うから。


もっと短い明文化した何かが必要なら、「芦見谷は現代人にとって最高に不便な空間で、ネイチャーとアートによって、生きる力を養う場になるって思ったんです。」って事かな。

この企画を進める中で、京北が芸術に力を入れている地域だと初めて知りました。凄いドンピシャな地域だったことにびっくりです。この杮落しにも地元の方が協力してくれています。森林の京北。緑が深くて川も澄んで、鮎が旨い。

そして、京都で演劇し始めるわたしに、9年前に喧嘩した伯父と従兄も協力してくれています。
もうそれだけでこれを始めて良かったと思ってる。


7/10、おででこVol.9「火學お七」無事に楽を迎えました。
(岸田理生アバンギャルドフェスティバル参加)

去年の秋に参加が決まった時に、アバンギャルドってどんな意味だっけ?と辞書を引きました。
それほどアングラ初心者のわたし。

そこから始まった企画創作は困難でした。
今までは全く見たことの無かった、寺山修司系の劇団などを見に行き、本や資料を読み、キャスティングでは、何人もから「岸田理生はちょっと・・・」と断られ、改めて拾ってしまった火中の栗の熱さに驚き、消沈し、確かに自分が想像していた以上に、岸田理生の戯曲の困難さに胃が痛くなりました。


出演者13人は、ほとんどがおででこ初出演。小劇場で活動する役者が仕事をしながら演劇活動をしているのは今回も同じで、6月から始まった約1か月ちょっとの稽古は、全員のスケジュールがなかなか合わず、最後の最後まで苦しいやりくり。

企画、制作、舞台美術、衣装、宣伝すべてに渡って、予算と人手の無い弱小団体の苦しみが一気に噴出したような創作現場でしたが、有り難いことに作品の評価はかなり高いです。


パーカッションの生音と、低予算で仕上げたとは思えない衣装、美術。照明の美しさ。理生さんの書いたリズムの有る言葉を、フィジカル的に放つ役者の演技法。


舞台は総合芸術。今回は特にそう思う。


演出は芸術監督とも言われるけれど、これまでの公演では個々の役者の演技の底上げをするのが精いっぱいだった。でも今回私はようやく演技指導者の仕事ではなく、演出の仕事をしたと思える。
勿論もっと出来たはずだという悔しさや、忸怩たる思いは有るに決まってるが、本番と言う締め切りに追われる中、今回も様々な問題が起こる稽古を乗り越え、火のつかない役者たちに風を送り、寄せ集めの集団のギリギリの綱渡りでたどり着いた創造の結果は、私自身が観客として楽しめるものとなっていたと言える。皆それぞれがよく頑張ってくれた。


しかし、色んな人がいる。
出演者それぞれがそれぞれの火事を持ってる。
演者は、嘘を誠にするために、自分の全てを掛ける事を要求される。自分自身が火だるまになることもある。全く火が付かずに湿気って、煙ばかりもうもうと吹き上げる事も有る。真っ赤に染まった美しい火柱を吹き上げることも出来る。さて、今回はそれぞれどうだったのかな?


わたしは課題がはっきり見えた。
上手く行かなかったなら、やり方を変える。
変わることに臆病じゃない私は少し得な性格。


だから今は、火事が終わってとにかく嬉しい。
ほっとしている。
私も休養が必要。せめて今週位は・・・


でも、すぐ7月8月の芦見谷の企画に取り掛からないと。
7月29.30.31の空間造り第4弾の参加者募集中です。
詳細はこちら→http://odedeko-kyoto.blogo.jp/
夏休み前半に、打ってつけのこの企画。

どうぞ芦見谷ワイルドパワーを浴びに来てください。





おででこリオフェス初登場まであと4日。

稽古は今日を含めて3日。

7/7(木)の七夕にアゴラ劇場へ。
7/8(金)19時初日。
7/10(日)18時の回で、全五回公演は終了。


10か月に渡る岸田理生さんとの苦悩の向き合いも、もうあっという間で終わる。


昨日は早めに稽古を切り上げ、私は当日パンフ作り。
みんなは稽古場で自主稽古やら道具の手直し。

おやこれは?
初日4日前に当日パンフ作りに時間を割けてるなんて・・・
若しかしたらここ数年なかった余裕の進行かも知れない?


リオフェスに参加することが決まったのが去年の9月。
何本かの戯曲を読み、作品を何にするかで紆余曲折。
理生さんの戯曲は難しいとは聞いていましたが、
そのハードルの高さは、岸田理生初体験の私にとっては予想を越えていた。
読めば読むほど胃が痛くなる始末。

「火學お七」に決まってからも、
あてにしていた俳優にオファーを断られ、
その理由が「岸田理生だから・・・」

最終的に全出演者が確定したのが今年の4月。
もうぎりぎりのタイミングだった。

でも、この最後に決まった出演者曰く、
オファーを受けたのは「岸田理生だから」

岸田理生さんとは、つまり、そういう存在なのだろう。
反発と魅力が共存する強烈な個性を持つ作品群。
だからこそ亡くなって13年になっても、
こうして毎年フェスティバルが開催されているのだ。


さあて、ここまで来ました。
遣れることはやった・・・はずだと思う。
演出して出演する苦しさは毎回のことだけど、
ここにきて一番稽古が足りてないのは私だ。
もう後は、私自身が一人一人にオファーして、
出演してくれている役者たちを信頼して、
私も出演者の一人として、理生ワールドを楽しみます。


従来のおででこファンには、ポップな笑いに満ちた、
おででこらしい演出も楽しんで貰えますよ。

岸田理生だからと観劇される新たなお客さまへは、
おででこなりに向き合った理生作品を堂々とお見せしたい。

この方もわたしがスカウトした、打楽器奏者多鹿大介さんの演奏が、
更に作品世界をくっきりと彩ってくれます。

みなさま~お待ちしています!

******

おででこvol.9 
「火學お七」~ある都市の熾火の記憶~

原作:岸田理生
リオフェス2016(第十回岸田理生アバンギャルドフェスティバル)参加作品

上演台本・演出:須川弥香  

【日程】
2016年 
7/8(金)     19時  
7/9(土) 14時・19時  
7/10(日)14時・18時  
(全5ステージ)

劇場◎こまばアゴラ劇場 
住所:〒153-0041 目黒区駒場1-11-13 TEL:03-3467-2743
*京王井の頭線「駒場東大前」駅
東口より徒歩3分
*「会場には駐車場・駐輪場がございませんので、お越しの際には公共交通機関をご利用ください。」

出演
川原田瑞子、小林大祐、下村真梨奈、末松和佳、須川弥香、高安有紀、知野三加子、瀧澤孝則、友澤宗秋、中谷中、根間永勝、本庄由佳、山下舞、(五十音順)
パーカッション◎多鹿大介

照明:山﨑佳代 音響:斎藤裕喜
舞台監督:清水義幸 
舞台美術:おででこ  
宣伝美術:水野悦

チケット料金 
前売・予約3000円
当日3500円
学割2500円(日時指定自由席)
*受付開始、整理券の発行は開演1時間前、開場は開演の30分前です。
*前売・予約のお客様の入場が優先となります。
*学割は予約時にその旨申し出いただき、当日窓口で身分証提示必要。

チケット予約
おででこサイト内予約ページ
http://odedeko.com/
Tel/Fax 03-6903-2748 
メール odedeko2010@gmail.com

協力
カワサキアリス
劇団S.W.A.T!
HUSTLE MANIA

制作
おででこ制作チーム・山下舞

主催◎おででこ
共催◎理生さんを偲ぶ会 
提携◎(有)アゴラ企画・こまばアゴラ

「五団体すべての公演を一度ずつ観ることのできる「リオフェス・通し券」を8000円にて発売しております。おででこへお問合せ下さい。」

七草七日七十七日
七の杜七墓参り
北斗の空に七つ星
まわりまわって七曲り
七重桜の七変化

七生転じて七赤に
生まれた娘の名はお七
お七かなしや物狂い
七つ下がりの雨の中
消えた男を探しゆく






 

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